実は新しい概念ではなく、80年代に米国スタンフォード大学で提唱されたSleep Debtという言葉です。わずかな睡眠不足も日々重なっていくとつけがたまり、借金が膨らんで返せなくなるイメージです。俗にいう「寝だめ」は平日寝れなかった分を週末にたくさん寝て、睡眠の返済をしているわけです。今日15時間眠れば明日から3時間睡眠でよいのではありません。睡眠不足の常態化は生活や仕事の質を下げるだけでなく、不眠症やうつ病、高血圧症などにつながりかねません。また睡眠負債は免疫システムに影響して、がんのリスクを高めたり、認知症の原因物質が睡眠中に排出されるのを妨げ、発症リスクを高めるといった研究結果もあります。