睡眠不足が引き起こす病気一覧

心筋梗塞、脳血管疾患

「1日の睡眠時間が4~6時間という睡眠不足状態が長期間にわたると、脳・心臓疾患の有病率や死亡率が高まる」 という報告が、平成16年度版厚生労働白書でされています。 心筋梗塞などの虚血性心疾患は、冠動脈の動脈硬化が原因で起こります。動脈硬化の危険因子には、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常、ストレスなどがあります。このうち交感神経を刺激するストレスは、脈拍を上昇させ動脈硬化を加速させるため、睡眠不足などが続くと心臓に負担がかかり、深刻なダメージを与えてしまいます。

腎臓病、肝臓病

睡眠不足による免疫力の低下が起きると、腎臓のろ過機能が低下し、不要物の排泄ができなくなって、さらに免疫力が低下する悪循環を起こして各臓器に影響を及ぼします。 また、寝不足と肥満は深い関係があることをご存知でしょうか? 平均7~9時間の睡眠時間の人に比べて、4時間以下の睡眠の人の肥満率は73%も高いという調査結果がアメリカのコロンビア大学から報告されています。 肝臓は糖を貯め込んで分解し、グリコーゲンとして筋肉などにエネルギーを与えます。しかし、炭水化物などの糖分やアルコールを過剰摂取すると、糖分が貯まって脂肪肝となります。脂肪肝は肝機能を低下させ、さらにさまざまな肝臓病の原因となります。

うつ病

慢性的な睡眠不足は、知的発達や気分や感情などの心の健康に悪影響をもたらします。 一日4時間から6時間しか眠らない生活を2週間続けると、物事を正しく認識し判断する能力や、段取りをつけて能率よく行動すると云った能力は、丸二日徹夜したレベルにまで低下します。その上、この睡眠不足の状態を長期間続けていると、気分や感情に関係するセロトニンなどの神経伝達物質の働きの異常をきたすと云われています。夜更かしによる睡眠不足や長時間労働によるストレスは脳の疲労を引き起こし、うつ病の引き金になってしまいます。

アルツハイマー型認知症

睡眠とアルツハイマー病の関係を研究しているアメリカのワシントン大学の研究グループによると、睡眠効率が悪い人は最大で5倍以上も初期のアルツハイマー病になる可能性が高いとされています。 一般に、高齢になるほど睡眠の質が低下し、睡眠障害を起こす人が多くなります。また同時に、βアミロイドやタウなどが蓄積しやすくなり、アルツハイマー病を発症するリスクも高くなります。